「絶対に行く。必ず行く。」 「でも…。」 「宝物を開ける約束だってある。」 いつもの、眩しいくらいの笑顔で幸生くんは言いました。 「僕は約束を破ったりしない。必ず行くから。」 繋いだ手を放し、「大丈夫」とでも言うように幸生くんは笑いました。 「先に行ってて、必ず行くから。」、 私に出来たのは祈るような気持ちでその言葉を信じることくらいです。 炎の町に消えていく幸生くんの背中を、私は見つめていました。