「彩織のこと応援してるようなこと言いながら実はデキてたって性格悪すぎじゃん?ウチらのこと笑ってたんだ?」


「…違う。」


「ウザッ!」


美季は吐き捨てるように言うと、あたしのリュックサックの肩ひもを掴んで引っ張った。

そうして、耳元で呟く。


「いつまで生きてる気?目障りなんだよ。とっとと死ね。」



あたしは唇を噛んだ。

強く、強く、噛んだ。




「あ〜そうだぁ!」


美季は急にまた甘ったるい声を出す。

「美季、ずっと思ってたんだけど〜。」


悔しい。辛い。悲しい。

誰も助けてくれない世界で、あたしは一人ぼっちで、逃げても逃げてもどこにも辿り着かない。



「千鶴の目ってさぁ死んだ魚の目に似てない?」


ナオミが笑いだす。
バカにするように、楽しそうに。

「分かる、分かる!美季って天才!」


「だよねー!愛美もそう思うでしょ?」


愛美は俯いたまま顔を上げない。



「思うよね〜?」


美季は、そんな愛美の肩をギュッと抱いた。




無言のままの愛美に、あたしは一筋の希望を持ってしまう。


愛美、あたしたち親友だよね…?