「あはは!超ウケる!」
顔を上げなくても、誰だかなんて分かる。
美季は手を叩いて大袈裟に笑っていた。
ピンクの浴衣を着た美季の周りには、同じように笑うナオミと、あたしを睨んでる彩織。
三人の後ろには、まるで身を隠すようにしている愛美がいる。
愛美は、あたしと目が合うと気まずそうに俯いた。
「ってか、何その格好!?」
上目遣いで、わざとらしい口調で、美季は楽しそうに言った。
「リュックに…シャベル?え、え、何でシャベル〜?」
「うわっ!マジだ!」
あたしは黙って俯いていた。
会いたくない奴には、会うように出来てるんだろうか。
「ねぇ〜千鶴ぅ〜。さっき、そこのコンビニで成海くんと話してたよね〜?」
最悪だ。
あたしの頭はフル回転で言い訳を考える。
でも、焦っているせいか何も思いつかない。