「なるほどな」
取り調べが終わって、和美たちに説明をした。途中からくやしくて涙を流した雪乃をなぐさめながら、和美は深くうなずいた。

「何がなんだか分かりません」
ハンドタオルでまだあふれてくる涙をぬぐいながら、かすれた声で言った。

「オウ、ユキチャン カワイソウネ」
キャシーの大きな手が肩にまわった。

「ほんまやな。しっかし、そのX・・・えっと松下野々香っちゅうのはそうとうなタマやな。はじめから雪ちゃんを落としいれるために準備しとったんやろうな」

「今思うとおかしいですよね。確かにあの封筒は変でしたから。そのときに警戒すればよかったんですけど・・・」

「それは無理やわ。いくらなんでも、そこまでは予想できへんやろ」
仕方ないよ、というふうに和美は優しく笑った。

「封筒に覚せい剤を入れておくなんて、本当にひどいです」