「本当なんです!彼女から以前『封筒に住所書くの手伝って』って言われて、1枚だけ書いたことがあるんです」

 植園は口元に笑みを浮かべたまま、こちらの話など聞いてないかのようにパソコンを打っていた。

「今思えばおかしかったんです。1枚書いただけで『もういいわ、ありがとう』って封筒をしまっちゃったし・・・」
思い出すかのように、しかし必死に雪乃は説明した。

「苦しいわね」

「え?」

 パソコンを打つ手を止めて、植園はまっすぐに雪乃を見つめた。

「その言い訳は苦しいわ。嘘をつくならもう少し頭を使ったほうがいいわね」

「嘘じゃありません!」

「状況を考えなさい。封筒の文字はあなたが書いた文字、そしてその中から覚せい剤の反応があった。どう考えてもあなたが送ったものとして見られるでしょう」