雪乃は、大きくため息をついた。
「彼女は私の名前を?」
「そう。私たちは買った人物を捕まえたいんじゃない。根を絶たないとこの悪循環は止まらないからね。だから、松下野々香を釈放し、あなたを逮捕した」
「そんな!」
「彼女の話はリアルだった。覚せい剤の受け渡しは、すべて郵便だった。手渡しでは現行犯逮捕の可能性があるからね。一般郵便でブツは届けられていたそうよ。そして、これ」
そう言うと、植園は雪乃の目の前に茶色い封筒を投げるように置いた。
「彼女が提出してくれた証拠がそれよ。よく見なさい」
威圧的な口調に変わっていた。獲物をとらえようとする野獣のような目だ。
封筒には黒いボールペンで住所が書かれていて、あて先は『松下野々香様』となっていた。裏返すと、差出人の箇所には『ヤマトコーポレーション』とだけ書いてあった。
「この字、見覚えがあるでしょう?そう、これはあなたの字よ。筆跡鑑定でも明らかになっているの。つまりあなたが覚せい剤を彼女に送っていた、その証拠よ」
植園は腕を組んだまま背もたれにもたれかかった。唇を片方上げて、挑戦的な目を向けた。
「彼女は私の名前を?」
「そう。私たちは買った人物を捕まえたいんじゃない。根を絶たないとこの悪循環は止まらないからね。だから、松下野々香を釈放し、あなたを逮捕した」
「そんな!」
「彼女の話はリアルだった。覚せい剤の受け渡しは、すべて郵便だった。手渡しでは現行犯逮捕の可能性があるからね。一般郵便でブツは届けられていたそうよ。そして、これ」
そう言うと、植園は雪乃の目の前に茶色い封筒を投げるように置いた。
「彼女が提出してくれた証拠がそれよ。よく見なさい」
威圧的な口調に変わっていた。獲物をとらえようとする野獣のような目だ。
封筒には黒いボールペンで住所が書かれていて、あて先は『松下野々香様』となっていた。裏返すと、差出人の箇所には『ヤマトコーポレーション』とだけ書いてあった。
「この字、見覚えがあるでしょう?そう、これはあなたの字よ。筆跡鑑定でも明らかになっているの。つまりあなたが覚せい剤を彼女に送っていた、その証拠よ」
植園は腕を組んだまま背もたれにもたれかかった。唇を片方上げて、挑戦的な目を向けた。