「いいわねぇ」
面会が終わり居室に戻るまでの間、職員がうらやましそうに宙をあおいで言った。
「あの一平君って子、ほんとに33番のことが好きなのね」
「うれしかったです。気持ちが伝わって」
雪乃はうつむき加減で微笑んだ。
「ロンドン旅行の約束してたの?」
「ええ、テストが終わったら行こうか、って。でもこのままじゃ無理ですよね」
職員は腕を組むと、
「でも33番が無実なら大丈夫でしょ」
と言った。
「はい。でも状況が不利ですから。一発逆転ホームランにかけてるようなものですよね」
「何言ってるの。もし無実なら精一杯戦わなきゃ。あなたがあきらめてたら一平君に申し訳ないわよ」
面会が終わり居室に戻るまでの間、職員がうらやましそうに宙をあおいで言った。
「あの一平君って子、ほんとに33番のことが好きなのね」
「うれしかったです。気持ちが伝わって」
雪乃はうつむき加減で微笑んだ。
「ロンドン旅行の約束してたの?」
「ええ、テストが終わったら行こうか、って。でもこのままじゃ無理ですよね」
職員は腕を組むと、
「でも33番が無実なら大丈夫でしょ」
と言った。
「はい。でも状況が不利ですから。一発逆転ホームランにかけてるようなものですよね」
「何言ってるの。もし無実なら精一杯戦わなきゃ。あなたがあきらめてたら一平君に申し訳ないわよ」