「あの、お父さんには・・・?」

「大丈夫、僕からちゃんと伝えておいたから。電話では動揺していたけど、僕に一任してくれるって言ってたよ。なんたって君の父上の親友だからね」
そう言うと、高橋はウインクをしてみせた。

「良かった・・・。じゃあ弁護してくださるんですね、よろしくお願いします」
深く頭を下げた。

「さてと」高橋は鞄からノートを取り出すと、ペンをかまえた。
「僕には本当のことを言っていいからね。君は今回の件は、まったく身に覚えがないんだよね?」

「もちろんです」
身を乗り出すように雪乃は言った。

「じゃあ雪乃さん・・いや、雪乃ちゃんにケースを渡した友達についてはどうかな?刑事さんの話では黙秘してるらしいけど」

「それは・・・」雪乃はそう言うとしばらくうつむいて何やら考え込んでいたが、
「やはり高橋さんにお会いして、今後どうすればいいのか伺ってからにしようかと思いまして」
と、言った。