「やっぱりそうでしょうか・・・」

「例えばさ」和美は雪乃の目をしっかりと見た。
「その友達がケースを持っていたとする。昨日の話では大量にあったんやろ。それはおそらく販売目的やわ。しかし、自分が警察にマークされていることを知った。そこで、トイレに行った雪ちゃんに声をかけて渡したんやないか?当然、その後警察に問い詰められる。で、雪ちゃんの名前を出した」

「そんな!」
目を見開いて息を吸う事も忘れ、雪乃は固まった。

「ひどいけどな、人間追いつめられると何するか分からへんからなぁ」
小さなため息とともに和美は言った。

 雪乃は、まだ信じられないとでもいうふうに目をパチクリさせながら、
「じゃあ、その友達、えっと名前は・・・」
と、言いかけるのをさえぎって「シッ」と和美は言った。

「?」