留置所に戻ったのは18時だった。

 別室で夕食をとり、ようやく11号の部屋に戻された雪乃は、
「疲れました~」
と、言うやいなや絨毯に倒れこんだ。

「大変やったな~」
読んでいた本から目を離し、和美が明るく言った。

「ユキチャン、ダイジョブカ?」
キャシーもニコニコしている。

 不思議なもので、知らない場所で1日をすごしていた雪乃にとっては、2人の顔をみただけでなぜかホッとしてうれしい気持ちになっていた。

「どうやった?うまくいった?」

「はい~、とりあえず昨日話したこと以外は伏せました」
ごろんと横になったまま顔だけを和美に向けて報告した。

「でかした!」
ポンポンと頭をなでられ、さらにうれしくなる。

「弁護士もお願いしました」