昨日は黙秘権を使って、ほとんど話をしていないからだ。

「ああ」和美はお茶を飲みほすとうなずいた。
「まぁ弁護士つけてから作戦はねったほうがいいやろな。昨日話したこと以外は言わないほうがええかもな」



 この留置所から本日検察庁に行くのは10名だった。

 雪乃を含めた10名は廊下に並ばされ、念入りな身体検査をされた。その後、手錠をかけられ、全員が1本のロープでつながる。

 大型のバスに乗り込み、他警察署を数箇所まわって他の人をピックアップしながら、霞ヶ関にある検察庁についたのは10時をすぎたころだった。

 私語が一切禁止ときつく言われた後、10名ずつくらいが鉄格子の中に入れられ、長椅子に座って名前を呼ばれるのを待つ。