「まぁ、そうなるわな。おそらく明日検察庁に連れて行かれるわ」

「検察庁?」

「簡単に言うと検事の取り調べがそこでもあるわけや。刑事の作った調書を元にさらに詳しく検事が調べよるんや」

 雪乃の表情が不安げに曇る。それを横目で見ながら和美は続ける。
「それから裁判官とも会うわけ。検事がおそらく10日間の拘留を要望するから、それを裁判所が決定するわけ。そしたら雪ちゃんにも弁護士をつけることができんねん」

「和美さん、詳しいんですね」
雪乃が感心したように和美を見ている。

「ま、うちは慣れてるからな」
少し恥ずかしそうに和美は笑った。自分を見つめる視線をそらすように、
「まぁうちの話はおいおいでええやん。ここではいくらでも時間あるんやし。雪ちゃんの事件についても話し合ってもどうしようないかもしれへんけど、せっかく同じ部屋になったんやし、協力するから。なっ?」
と、キャシーに同意を求めた。

「モチロン、トモダチネ」

「そや、友達やな。よろしくたのむわ」
和美が頭を下げたので、雪乃もあわててそれに合わせた。