「これから3階にある留置所に向かいます。48時間は拘留する権利が警察にはあるので、そこで過ごしていただくことになります」

「48時間!?丸2日ってことじゃないですか」

 くねくねと廊下をすすみ、エレベーターにのりこむ。他の人と鉢合わせしないように、奥の壁にくっつくように指示される。

「ええ・・・でも言いにくいのですが、あなたの場合は覚せい剤の容疑ですからして、その後10日ないし20日の拘留になるかと思います」

「私・・・本当に犯罪者だと思われているんですね・・・」
下降の浮遊感に目を閉じながら、雪乃は言った。



 吉沢からの返事はなかった。