ついた先は、同じ階にある『撮影室』と書かれた部屋だった。

 そこで雪乃は、担当者に言われるがまま前横後と向きを変えさせられながら写真をとられた。

 ついで、大型のコピー機のようなものに手を置くように言われ、それが光で指紋を撮影してゆく。

「昔はインクで1本ずつ指の指紋をとっていたんだけどねぇ。今じゃ便利になったもんだよ」
担当者は誰に言うふうでもなく笑った。

 それぞれの指や手のひらを撮影した後、ようやく部屋を後にした。