調書の後、指印を押した雪乃は吉沢に連れられていつもと違うエレベーターに乗った。
「これは表に出られるエレベーター。荷物は受付にありますから」
静かに下降する箱の中、吉沢が言った。
「あ、手錠つけてないです」
雪乃が気づいたように言うと、吉沢は声に出して笑い、
「山本さん、あなたは釈放されるのですよ。手錠なんて必要ないでしょう?」
と笑った。
「あの、じゃあ逮捕も無効ってことですか?」
「言いにくいけれど、いわゆる誤認逮捕っていうやつです。この期間の保障については後ほど書面が郵送されますからよくお読みください」
ふうっ、と雪乃のもらしたため息が響いた。
「でも、松下さんが否定したら?そうしたらまた逮捕っていうこともありえるのでしょうか?」
心配そうな顔が吉沢の近くに寄り、彼の顔を赤らめた。
「いえ、この事件ではもう呼ばれることはないでしょう。もし呼ばれるとしたら、罠にはめられた被害者という立場になるはずです」
「これは表に出られるエレベーター。荷物は受付にありますから」
静かに下降する箱の中、吉沢が言った。
「あ、手錠つけてないです」
雪乃が気づいたように言うと、吉沢は声に出して笑い、
「山本さん、あなたは釈放されるのですよ。手錠なんて必要ないでしょう?」
と笑った。
「あの、じゃあ逮捕も無効ってことですか?」
「言いにくいけれど、いわゆる誤認逮捕っていうやつです。この期間の保障については後ほど書面が郵送されますからよくお読みください」
ふうっ、と雪乃のもらしたため息が響いた。
「でも、松下さんが否定したら?そうしたらまた逮捕っていうこともありえるのでしょうか?」
心配そうな顔が吉沢の近くに寄り、彼の顔を赤らめた。
「いえ、この事件ではもう呼ばれることはないでしょう。もし呼ばれるとしたら、罠にはめられた被害者という立場になるはずです」