エレベーターを待つのももどかしく、植園は階段を降りてゆく。

 家庭課はすぐ真下の6階だ。

 駆け下りた先のドアを開け、薄暗い廊下に出ると植園は足を止めた。
 古谷がまだ降りきっていなかったからだ。

「吉沢君、これが」
そう言うと、吉沢を見つめた。


「これが、この事件を大きく動かすかもしれない」