「それがですね・・・」
突如、吉沢が口ごもった。
「なにか問題?」
「はぁ・・・。あの、実は今朝、松下野々香の捜索願いが家族から出ています」
「なんですって!」
植園が勢いよく立ち上がり、はずみで椅子が後ろに倒れた。
「なんでもっと早く報告しないのよ!」
そう怒鳴りながらも、朝一で吉沢を呼び出したのが自分だということに気づく。
「僕も、出社してすぐに家庭課から言われたものでして・・・。すみません」
「いつからいないって?」
「2日前に大学の友達から実家に電話があったそうです。『授業に出てこず、バイトも無断欠勤しているらしい』と。そこで家族が上京し、一人暮らしをしているアパートに行ってみたところ、財布や鍵はそのままにもぬけの殻になっていたようです。そこで、今朝家族の手で捜索願いが出されたそうです」
「書き置きは?」
「あったそうです。『探さないでください』と書かれてあったそうで、事件のセンもありますので、今鑑定してもらってます」
植園はフンと鼻をならすと、
「方向性を変える必要もあるってことね」
と言い捨てて部屋を出た。
突如、吉沢が口ごもった。
「なにか問題?」
「はぁ・・・。あの、実は今朝、松下野々香の捜索願いが家族から出ています」
「なんですって!」
植園が勢いよく立ち上がり、はずみで椅子が後ろに倒れた。
「なんでもっと早く報告しないのよ!」
そう怒鳴りながらも、朝一で吉沢を呼び出したのが自分だということに気づく。
「僕も、出社してすぐに家庭課から言われたものでして・・・。すみません」
「いつからいないって?」
「2日前に大学の友達から実家に電話があったそうです。『授業に出てこず、バイトも無断欠勤しているらしい』と。そこで家族が上京し、一人暮らしをしているアパートに行ってみたところ、財布や鍵はそのままにもぬけの殻になっていたようです。そこで、今朝家族の手で捜索願いが出されたそうです」
「書き置きは?」
「あったそうです。『探さないでください』と書かれてあったそうで、事件のセンもありますので、今鑑定してもらってます」
植園はフンと鼻をならすと、
「方向性を変える必要もあるってことね」
と言い捨てて部屋を出た。