イベントが始まり、ステージに純君が登場した。

手を振りながら、純君はあたしに向けたような笑顔を見せている。

隣の女の子みたいに「キャー!!」と騒ぐ気分にあたしはなれない。

ステージにいる純君が遠い。
ううん、さっき控え室で会った時も、あんなに近くにいたのに距離を感じた。

あたしと純君が結ばれることは、天地がひっくり返ってもありえない。

それを今日思い知らされた。

まぶしい…まぶしいよ、純君。
まぶしすぎて、目をそらしたくなっちゃうよ。

会いたいとあれほど願っていたはずなのに、会わなければよかったとさえ、思ってしまう。

会わなかったら、今頃、こんな苦しい思いをしなくてすんだ。

遠くで生き生きと輝いている純君を見つめながら、あたしは涙を流した。

「……よしよし」
「ふぇ…りっちゃん…」

りっちゃんがすごく頼もしく感じた。