「どうだった!?」
りっちゃんが興奮しながら聞いてきた。
あたしがそれに笑顔で答えることはない。
「りっちゃん…やっぱりさ、芸能人に本気で恋するなんて、馬鹿げてるよね…」
「え…どしたの、急に?」
明らかに元気のないあたしを見て、りっちゃんは心配そうな表情を浮かべる。
「純君を好きな人はたくさんいる。純君にとって、あたしはただのファンの一人に過ぎないんだよね…。
あたしがどんなに強く純君を想っても、それが純君に届くことは限りなく0%に近いんだよね…」
気付いてしまった。
あたしがどれだけ純君を好きでも、彼と結ばれることは決してないんだ。
あたしはただの一般人。特別可愛くもない、平凡な女子高生。
華やかな世界に生きる純君とは、住んでる世界が違いすぎるんだ。
純君には…綺麗な女優さんや、可愛いアイドルがお似合い。
そうでなくても、この会場にいるあたし以外の女の子に可愛い子はたくさんいる。
純君を好きになればなるほど、ただつらいだけ……。