*   *   *


「イェーイ!あっがりー!」

あれから数日が経った。

麻里乃の依頼が終わってから、大きな依頼がくることはなく、カフェを営む日々が続いている。

今、店に客は一人もおらず、藍衣たち4人はのんきにトランプをしていた。

「また悠季が一位かいな!」

只今、ババ抜き中。
つい先ほど、悠季が一抜けしたところである。

「ずりーぞ。ぜってえなんか仕組んでるっしょ」
「悠季が、んなことするわけないだろ」
「あいててて!」

口を尖らせる健一の頬を、南が強くつねった。

すると、カランカランとドアベルを響かせながら、一人の少女が来店した。

「こんにちは!」

ぺこりと頭を下げたのは、川瀬麻里乃だった。

「おー、久しぶりやな!」
「元気してたか?」
「はい、おかげさまで」

明るく笑う麻里乃に、健一が抱きつこうとしたが、例により藍衣に阻止された。

「あのあと、沢田さんがわざわざ謝りに来てくれたんです。彼も、いろいろつらかったんだろうと思います。
ミカとも…ちゃんと話しました。
今でも私の大事な親友です」

そう言って笑う麻里乃に、藍衣たちは安堵の息をつく。