「一番じゃなくていいから、彼女に必要とされたかったんです。

だからって、俺がしたことが許されるとは思ってません。

本当にすいませんでした」

フラフラと起き上がり、少年は店を出ようと歩きだす。
それを、藍衣が少年の腕を掴んで止めた。

「あんた…これからどないするん?」
「さあ…。多分またしばらくは、ひきこもり生活に戻るでしょうね」

苦笑する少年。

「あんたの名前教えて」
「え…沢田…リクです」

少し驚きながら答えた沢田と名乗る少年に、藍衣は優しく微笑んだ。

「今度、暇な時にでもウチにおいでや!コーヒー一杯ぐらい、サービスするで!」
「……でも」
「ええから!遠慮せんと来て!
いいよね、みんな!」

悠季たちも笑顔で頷いたのを見て、「待っとるけんな」と、藍衣は掴んでいた腕を放した。

「…ありがとうございます」

沢田も、藍衣たちにつられるように笑う。
初めて見た彼の笑顔は、とても明るいもので、藍衣はなんだかホッとした。

「ったく、お前はホントにお人好しだな」
「別にええやろ♪」

藍衣の頭に手を置いて、苦笑する悠季なのであった。