悠季の言葉を遮ったのは、驚くことに今回の事件の主犯であるミカだった。
「もう、いい。
あたしが、麻里乃とあんた達に脅迫状を送り、沢田を使って麻里乃を襲わせた。
動機も間違ってない。
全部認める…認めるから…。もう何も言わないで…」
ミカはそう言って崩れるように座り込むと、声を上げて泣きはじめた。
「ミカ……」
何も口を挟まず、麻里乃はただ黙って事件の真相を聞いていた。
悠季が証拠を次々とあげていても、麻里乃はまだ、心のどこかでミカを信じていた。
だから、今のミカの自白は本当にショックだった。
「麻里乃が嫌いだったわけじゃないわ…。ただ…気に食わなかったのよ…あの人に好かれているあんたが…。
だから、少し痛め付けてやろうと思って、ずっと前からあたしに言い寄ってた沢田に協力させたのよ…」
ひたすら涙を流すミカ。
麻里乃はおもむろに立ち上がると、彼女のもとに歩み寄った。
「ミカ…私ショックだったよ。ミカは私の親友だって思ってたから…」
「麻里乃……」
麻里乃は瞳にたまる涙がこぼれないように堪える。
そして…ミカを抱き締めた。