悠季の出した答えは“OK”だった。
「ただし…依頼人を絶対守ること。もし川瀬さんに傷一つでもつけたら、うめえ棒100本食え、ってさ」
「それはごめんだな」
「あたしもや。そんなに食べたら口がパサパサになってしまうで」
お互い顔を見合せて笑うと、藍衣はらぶはぴバッジのスイッチを押した。
「川瀬さん、聞こえとる?」
そう呼び掛けると、藍衣の視線の先にいる麻里乃は、少し驚いたような表情を浮かべた。
〈は、はい!聞こえてます!〉
「今からちょっと、人通りが少ない所に移動してくれへんかな?〉
〈え…?〉
少し戸惑ったような声を出す麻里乃。彼女の抱く不安が、無線機としても役立つらぶはぴバッジから伝わってきた。
「実はな、あんたの近くに怪しい奴がおんねん。奴はたぶん、川瀬さんが一人になる時を狙っとる。
あんたが一人になった時、襲ってくるはずや。
危ないかもしれんけど、あたしらが絶対守るけん協力してくれへんか?」
しばらくの沈黙のあと、麻里乃は小さな声で言った。
〈……わかりました。
その言葉、信じてます〉
「まかしときぃ!」