「はーい、ちょっと君」
「!」

何かに感付いたのか、ミカは逃げようとしたが、それよりも早く健一が彼女の腕をつかんでいた。

「ちょ…放してよ!」
「ダーメ♪君でしょ?麻里乃ちゃんや俺たちに脅迫状なんて物騒なもん送り付けてたのは」

健一はにっと笑う。

「ミカちゃん♪」

「お前が“らぶはぴ”とかいう、素人探偵か…!」
「ピンポーン、大正解ー!」

悔しそうなミカの顔をしっかりとビデオにおさめつつ、彼女が持っていた封筒を健一は開けた。

「あ…ダメ!」
「今回はなんて書いたのかなー」

“俺たちの正体を知った時、おまえは死ぬ”

ワープロでつづられたそれを見て、ケラケラと笑い始めた健一。

「また随分怖いこと書いたねー。
今回の脅迫状は、麻里乃ちゃんを俺たちのところに行かせないためのものってとこか。
そりゃそーだ、自分が脅迫してたってばれちゃうからね」

しっかりと脅迫状もビデオに撮ったところで、大きなため息をついた健一。

「あーあ…麻里乃ちゃん、かわいそうだよ。君に裏切られちゃってさ」
「お前に…何がわかる!」
「わかんないね」