憶測の推理だが、悠季の言っていることはきちんと筋が通っていて、さすがの藍衣も、これには素直に感心した。

「なるほど!すごいやん、悠季。なんかあんた、コ○ン君みたいやで!」
「あのさ、せめて工藤○一って言ってくれないかな…」

「見た目は子供でも、中身は一緒やん」
「それはそーなんだけど…」

いくら頭脳は大人だといえ、小学生と同じように見られるのは、悠季は少し複雑だったらしい。

「あたしのこと蘭って呼んでみて!」
「……蘭」
「……」

少し頬を赤らめながらも、悠季は言われた通り呼んだ。
だが、藍衣は想像と違っていたのか、微妙な表情を浮かべた。

「…なんか、気持ち悪っ!」
「おまえが呼べって言ったんだろが!」

涙目の悠季の肩に、健一が優しく手を置く。

「ぐすっ…ケンちゃん、慰めて……」
「……えっと…ドンマイ」

とりあえず苦笑する健一なのであった──。



翌日。

「おい、みんな!ちょっと来てくれ!」

珍しく早起きをした健一の声で、藍衣たちは目を覚ます。

下へ降りると、健一が慌てた様子で一枚の紙を見せた。

「どしたん、健一?」
「これ!店のドアに挟まってたんだ!」