店に戻り、藍衣、健一、そして南の順で2階へと上がると、そこでは悠季がうめえ棒片手に、『アイ、アム、探偵!』をテレビにかじるつくようにして見ていた。
「たっだいまー!」
「悠季、帰ったで」
「ふぉー、ふぉはふぇりー」
うめえ棒を口に含んだまま、「おー、おかえりー」と言った悠季に、藍衣のドロップキックがとんできた。
「あんた、何のんきにうめえ棒なんか食っとんねん!?人が必死で働いてたっていうのに、あんたはのんびりうめえ棒か!!ってか、そんなモサモサしたもん、よぉ一日中食えるなぁ!!」
「うぅ…うめえ棒吐き出すかと思った…」
顔を青ざめる悠季に、藍衣は今日撮った男の写真を見せた。
「川瀬さんのマンションの前をうろうろしとった。捕まえてやりたかったけど、言われた通りに写真だけ撮っておとなしくしといたけんな」
写真を覗き込む藍衣以外の3人。
「うわー、明らかにストーカーって感じだねー」
「……怪しい」
健一の意見に、南も珍しく同意するほど、藍衣が目撃した男はおかしかった。
「健一とミナミんの方は?」
悠季は先程のふざけた態度とは一変して、名探偵コ○ンのように真剣な表情になった。