「これで、言葉の心理テストは終わりです。文化祭楽しんでいってください」
彼女の口角があがる。
仮面越しだけど笑顔を向けてくれた。
友達が「ありがとねー」と出ていく中、俺は一人その場にとどまった。
「あの…?」
驚いた彼女が、小首を傾げる。
「あの……仮面とってもらえませんか?」
俺は意を決して言った。
さらに彼女は驚き、「えっ!?」という声をあげながら、立ち上がる。
「せっかくタダで占ってもらったんだ、俺ちゃんと顔見てお礼が言いたい」
俺が言うと、しばらく迷う素振りを見せていた彼女が、またもやおずおずと口を開いた。
「そういうことでしたら……。そんな見せられるような顔でもないですけど……」
あんな苦しい言い訳に納得してしまった彼女は、仮面に手をかけた。