とりあえず友達と相談した結果、俺から占ってもらうことになった。


「それではこれから、本当のあなたがわかる言葉の心理テストを始めます」



俺は心底ガッカリしていた。


だって……占い師をやってる子の顔がまったくといっていいほど見えない!


占い師という雰囲気を出すためなのだろう。
黒で揃えられたマントに蝶ネクタイ、そして顔は大きな仮面で完全に隠されていた。


後輩が可愛い子だというから、ちょっと期待してたのに……。




ガッカリしたのは事実だけど、占い事態は楽しめた。


結構当たってたし、他の奴がやったラブ診断なんかは面白かった。


ただ俺は、仮面に隠された彼女の素顔がどうしても見たくて仕方がなかった。


一ヶ所も噛まずに、スラスラと、よく通る綺麗な声で本を読み上げていく。


おとなしそうな雰囲気とは裏腹に、与えられた仕事をそつなくこなしている彼女の顔が、何としてでも見たかった。