周りが騒いでいるのを気にもとめず、静かに窓の外を眺めて俺がくるのを待っている。


そこに座っているのは、同じクラスになってから自己紹介以来声を聞いたことがないくらい無口な女子。


居眠りしほうだいの席だったのに、彼女はいつもちゃんと授業を受けていた。


しゃべったことなんかないけど、真面目な奴だとわかる。



じゃんけんに負けたから、くじをひくのは一番最後だけど、そわそわしている様子もなく落ちついてて、ただ運に任せているようだった。



とにかく、ああいう奴と一緒だったらHR委員も少しは楽だったのかもしれない。


欲がないほうが良いくじがひける、みたいなことを聞いたことがあるけど。


彼女はたぶん、欲なんてないだろうからきっとまた良いくじをひくんじゃないかな。


ふと、そんなことを思った。