──“好き”って言って。
「え?」
──あたしは好きだよ、あなたのこと。あなたは?
「……」
──何で何も言ってくれないの……?
もう、やだ!
部屋をあとにしようとしたら、あなたに後ろから抱き締められた。
久しぶりに感じる、あなたのぬくもり。
あんなに怒ってたはずなのに、あなたの腕の中にいるだけで落ち着いた。
「ごめん、恥ずかしかっただけなんだ」
恥ずかしかった…?
「お前は素直に気持ちを伝えてくれるけど、俺は恥ずかしくてそれに応えられなかった。
ごめん、大好きだよ」
その言葉に、また涙が溢れた。