その日の放課後。
あたしは彼に呼び出された。
二人きりの教室。
親友に悪いとは思いながらも、彼と一緒にいられることが嬉しい。
あたしは……不謹慎ながら喜び、そしてドキドキしていた。
「あのさ……俺、お前のこと好きなんだ」
彼があたしを呼び出したのは、あたしに告白をするためだった。
あたしは一瞬頭が真っ白になり、言われたことをゆっくりと理解して真っ赤になって、そして……苦しくなった。
嬉しくない、と言えば嘘になる。
だけど、嫌だ……ダメだ……って思った。
あたしの頭によぎったのは……大親友の泣き顔。
あたしが彼と付き合うことになれば、彼女は絶対に泣くだろう。
それから絶交されるに違いない。
自分の恋を守る代わりに、友情を捨てるか。
友情を守る代わりに、自分の恋を捨てるか。
二つに……一つ。
究極の二択を迫られた。