見ると、いつもの席に彼女の姿がない。


慌てて声のしたほうへ向かうと、彼女が頭を抱えて座り込んでいた。


「あ……」


駆け付けたのはいいが、“大丈夫?”も“どうしたの?”も言えない。


恥ずかしそうにつぶやいた彼女を前にすると、俺は何を言えばいいのかわからなくなった。


「あ、えと、本棚から本が落ちてきて!それで頭に……」


あわあわと、身振り手振りでさっきの悲鳴のわけを説明する君。


恥ずかしそうに頬を赤らめつつ、必死に話す彼女が面白くて。


超…可愛くて。


なんだか笑いが込み上げてきた。