「あれ、君もあがり?」
「あ、はい」
先輩は、私より一足早くバイトが終わったみたい。
店の制服ではなく、私服を着ているのが何よりの証拠。
先輩の私服初めて見たけど……かっこよすぎ!
どうしよう……一緒に帰りたい!
確か、先輩は私の家と同じ方向だったはず。
二人きりで帰れるチャンスは……今しかない!
「あの、先輩!」
「そうだ、せっかくだし一緒に帰ろうよ」
……へ?
意を決して先輩を誘おうとした時、私より先に先輩が言った。
驚いて目を見張る私に、先輩は笑いかけてくれる。
「よよよ、喜んでっっ!!」
やっと先輩の言葉を理解し、嬉しくて嬉しくて私は大きな声をあげてしまった。