私のバイト先の先輩は、とってもかっこよくて仕事もできて、頼りになる。


そんでもって超優しい!


だけど……


バイト中はもちろんお話なんてできないから、私は彼のことを何一つとして知らない。


どこに住んでるのかな、

何歳なのかな、

……彼女はいるのかな。


聞きたいこと、知りたいことはいっぱいあるのに、私がそれを知ることはできない。


あの人にとって私は……バイト先のただの後輩だから。




「お疲れ様です」


今日もしんどいバイトが終わった。


大きく伸びをして、私は店の制服から私服へ着替える。


次のバイトがある日をシフト表で確認していると、大好きな先輩が更衣室から出てきた。