今日もやっぱり笑ってくれなかった。
だけど、俺は諦めが悪い男。
いつもは3、4曲弾くけど、2曲弾きおわると、俺はヴァイオリンを片付けた。
そしてまっすぐに彼女を見つめる。
彼女も俺を見ると、一瞬驚いたような表情を浮かべた。
相変わらず寂しそうだけど、君の瞳はしっかりと光を宿していた。
「明日は笑わせてみせるから!」
気付けば俺は、彼女にむかって、叫んでいた。
「……は?」
いきなり話したことのない相手からそんな意味不明なことを言われれば、誰だってそう首を傾げるだろう。
彼女も、大きな瞳を丸くして驚いた。
「明日こそ…君を笑顔にしてみせるから!」