夜、君があたしの部屋の窓を叩いた。
「空!見てみろよ!」
──何なのよ、急に。
不満をもらすあたしに、「いいから見てみろって」と、笑った。
流れ星が…
空いっぱいに溢れていた。
すごい……。
絶え間なく流れていくそれは、夜空を明るく輝かせている。
「しし座流星群だってさ。
お前に見せれてよかったぜ」
──え?何で?
嬉しそうに笑っている君に、あたしは問い掛ける。
「流れ星見たことないって言ってたじゃん?だから、1回だけでも見せてやりたいってずっと思っててさ」
──嘘…そんな昔のこと覚えててくれたの?
「当たり前だろ!だからさ、今日すげーの見れるって聞いて、絶対お前に見せてやるって決めてたんだよ」