「明日は笑わせてみせるから!」
「……は?」
突然、少年は大声で叫ぶようにあたしに言った。
だけど、意味がわからず間の抜けた返事をしてしまう。
「明日こそ…君を笑顔にしてみせるから!」
少年はもう一度言うと、白い歯を見せて笑った。
その笑顔のままピースサインを送ると、「待ってろよ〜!」と捨て台詞を吐いて公園をあとにした。
…わけがわからない。
っていうか、なんだか変なの。
ヴァイオリンを弾くぐらいだから、もっと上品なぼっちゃまっぽい性格かと思いきや、そこらへんのわんぱく坊主と同じような感じ。
綺麗な外見には似合わない、やんちゃな笑顔。
だけど、彼の笑顔がなかなか頭から離れなかった。