太陽の光が嫌いでずっとカーテンを閉めているせいか、真昼なのにあたしの部屋は暗い。
梅雨でもないのに、ジメジメしているように感じる。
それをわかりつつも、あたしはどうもせずに、そのままベッドに飛び込んだ。
する事もないし、しようという気もない。
今日はこのまま…夜まで寝よう。
そう思って目を閉じたけど。
その時、かすかに耳に届いた音に気付き、体を起こした。
綺麗な音…。
頭を掻きながら、重々しく歩き、ほんの少しカーテンを開けた。
隙間から日が差し込んで、目を細める。
だけど、それにもすぐ慣れて、あたしは音の正体を突き止めた。
家の近くの公園で、美しい音色を響かせていたのは、同い年ぐらいの男の子が弾いていたヴァイオリンだった。