彼女は可愛いかった。
あたしよりも小柄で、
あたしよりも女の子らしくて、
素直で、明るくて、
あたしなんかじゃ、到底かなうはずのない相手だった。
でも……ずるいよ。
あたしはずっと前から、誰よりも前から、彼のことが好きだった。
あたしが唯一あの子に勝てるとしたら、彼を想う気持ちだと思う。
それぐらい大好きだったのに、
結ばれるのは、どうしてあたしじゃないの?
君だけが好きで、好きで、
心から、本気で、精一杯恋してた。
だからこそ、ショックが大きかった。
視界がにじむ。
鼻がツーンとしてくる。
目頭が熱くなってくる。
あたしは…泣いた。