「死んじゃったほうが、ラクだったのにねー!!」


朝、教室に入った瞬間。

飛び込んできた高い声に、おもわずUターンをしたくなった。


主語がなくても、だれのことを指しているのか、わかる。

わかっていた。きっと、学校は、アキが言っていたようなウワサで持ちきりだろうって、予想はしていたけれど。


教室のど真ん中を陣取って、ギャアギャアさわいでいる、嶋田さんたち。

殴られて、先生に呼ばれて。なのに、ちっとも懲りていない様子だった。


その顔には、大げさなほどのガーゼやばんそうこうが貼られていて。

それはまるで、みんなの同情を集める、エサのように見えた。


「てかマナミ、大丈夫ぅー?」

「痛そうー!冷やした方が、いいんじゃない?」

「せっかくかわいい顔なのに、傷残ったら大変じゃーん!!」