すずしげな花柄の、ノースリーブのワンピース。そこから出る肩が、夜なのに、とてもまぶしく見える。
ふだん、制服姿ではかくれている部分だから、とくべつ新鮮に見えるのかもしれない。
アキのほころんだ横顔を見ながら、なんだかなぁと思った。
強引に花火をさせられることになってしまったし、なんていうか、オンナノコのアキを、目の前につきつけられた気がしたから。
わたしのとなりにいるときとは、ちがう人みたいな、アキ。
口先をひん曲げたまま、ふっと視線を上げると、田岡と目があった。
がんばってみたけれど、顔が元に戻らない。たぶん、いかついシワがたくさん浮かんでる。田岡に、不思議な顔をされた。
「どした、三橋」
「・・・どうもしない」
「なんか怒ってんの?」
田岡の口から出たお母さんと一緒のセリフに、ほおがヒクッとひきつりそうになる。
ダメだなぁ。最近のわたし、ずっとイライラしている。
「・ ・・田岡、なにそれ」
田岡の言葉には返事をせずに、わたしは言った。
広げられた花火のそばに、ゆっくりとしゃがむ。