は?なに、それ。
口には出なかったけれど、このときのわたしの顔はまさに、は?なにそれ、だったと思う。
おじいちゃんちに行けって。つまり、なに。
わたしに、この家にいてほしくないってこと?
いないほうがいいって言いたいの?やっかい払いしたいってこと?
おはしだけじゃなく、手まで、ふるえ出す。
力が入りすぎて、手の内側で二本の木は、ボキリと折れてしまいそうだった。
「すこし遠くに行ったほうがね、八子も嫌なこと──」
ガターン!!勢いよく立ち上がったせいで、イスが倒れる。
そのまま、二階にかけ上がった。
味噌汁のおわんも、ひっくり返ったかもしれない。そんなの、いい。どうでもよかった。
イスの音に負けないくらい大きな音で、部屋のドアを閉める。
信じられない。出て行けって言われたほうが、まだマシ。
ヨロヨロとベッドに歩み寄る。
すこし前までのように、白いマットレスが魅力的に思えないのはどうしてだろう。
ゆいいつの場所が、わたしを拒否しているみたいにみえるのは、どうして。