「今日の新しい単語を、十回ずつ書いてみましょう。ちゃんと、頭の中で唱えながら書いてくださいね」


ハウエブァー。ハウエブァー。

頭で唱えながら、先生の唇のめくれ具合を思い出しながら、四本線の入った英語ノートに書いていく。

最近では、線なしの大学ノートを使う生徒も増えてきた。クラスで、半分。いや、もう六対四くらいの、割合。

四の側のわたしは、変わらず、指定された線入り英語ノートを使っている。

大学ノートも一度試してみたことがあるけれど、どうも字のバランスが悪くなるのだ。


わたしは日本人なんだから、英語をかっこよく書けるわけがない。っていうか、どうせ外国なんて行かないんだから、英語なんてできなくていいのに。


例文、そのいち。

わたしは英語を勉強している。

しかし、ハウエブァー。

わたしは将来、外国に行ったりしないので、無駄である。


でも、わたしの思いは、わたしの思いでしかなくて。現実は、思い通りになんてならない。

しかし、しかし、しかしの連続。受験には、英語はもちろん、数学も国語も必要だ。いちばん苦手な、歴史も。