・・・・・・うん。


・・・・・・うん。


うんって、思った。

何度も、思った。


胸の奥が、苦しくなる。じわあと、こみあげてくるもの。にじんでくるもの。

いっぱいになる。


すこし話そうって、田岡のメールを見たとき から、なんとなく、わかっていた。

菜落ミノリの話をされるんじゃないかって、思ってはいた。

もしかしたら、田岡の気持ちを聞けるかもって、思ってた。


ブランコの鎖を、ぎゅっとにぎる。食い込んで、痛い。

実際には、なにも言葉が出ずに、わたしは黙っている。うん、すら言えずに、心のなかでうなずく。


うん。ねえ、わたし、わかってたよ。

わたし、知っていたんだよ。


田岡が、ジュウエンムイチが、菜落ミノリを、すきなんじゃないかって。


田岡は、べつに、言わなくてもよかった。

朝、あの現場に一緒にいたからって、わたしに伝える義務なんて、なかった。

でも、言わずにはいられなかったんだ。


そのまっすぐな気持ちを、一人きりで抱え込んでおくことが、できなかったんだ。