結局あのあと、私は相沢くんを呼び戻すことに失敗し、相沢くんはあとで先生に呼び出しをくらっていた。
私はというと、あの時相沢くんと一緒にいたあの女子生徒が気になって、そのあとの授業にまったく身が入らなかった。
そして一週間はあっという間に過ぎ去り――。
「はぁ……誰なんだろう……」
週末。
この一週間授業で習ったことを復習し終わってから、少し休憩しようとベッドに腰をかける。
でもやっぱり頭に浮かぶのは相沢くんと、あの女の子。
後ろ姿しか見てないけど、綺麗な長い髪が素敵だった。
相沢くんも珍しく楽しそうだったし、すごく仲が良いのはわかった。
いわゆる彼女、という人なのかなぁ……。
「……はっ、何で私は相沢くんのことばっかり……」
我に返ると、何故か彼のことばかり考えている自分に恥ずかしくなってくる。
相沢くんの存在を頭から消そうと、首を横にぶんぶんと振った時だった。
携帯が、着信を知らせた。