……あれ?ここどこだろ……?


目が覚めると、教室と同じような天井が目に入り、その次に消毒液のにおいが鼻をかすめた。


「うーん……あ、痛っ」


「ああ!無理して起きちゃだめだよ!」


隣から慌てたような声が聞こえて、私はびくりと体を強ばらせた。


「えっ……えっ?あ、あの……」


私のベッド脇にいたのは男子生徒で、誰この人!?という私の心の声が聞こえたのか、その人は自己紹介をしてくれた。


「俺は3組の柏木翔太(かしわぎ しょうた)!」


柏木くん……あ、文実委員の人だ。


どっかで見たことある顔だと思ったら、同じ文実委員の柏木くんだった。


「えっと、柏木くん、私……」


「俺、ちょっと急いでて、廊下走ってたら君とぶつかっちゃったんだ!打ちどころ悪かったみたいで、君が倒れちゃって……それで保健室に連れてきたんだ」


そういうことだったのね……。


ああ、ほとんど初対面の方にご迷惑をおかけして本当に申し訳ない……。


起き上がって謝ろうとすると、柏木くんは何故かぎゅっと手を握ってきた。


「っ!?」


「君、俺と同じ文実委員の子だよね!?」


「……へ?」