くじ引きで決まったからとはいえ、そんなの知らないふりで私一人にやらせちゃえば、部活の練習時間が削られることもない。
いつも授業をサボる感じで、委員会も仕事もサボっちゃえばいいのに。


不思議だけど、何となく理由はわかってる。


単なる気まぐれかもしれないけど、きっと私に迷惑をかけないため。


授業は自分が困るだけだけど、委員会はそういうわけにもいかない。


相沢くんは、ただでさえ私が頼まれごとを引き受けようとすると断ることも大事だと釘を差してくるぐらいだから、誰かに仕事を押し付けるような真似が好きじゃないんだと思う。


私が勝手に良いように考えてるだけかもしれないけど、ここ数日、相沢くんの優しさにたくさん助けられてきたから何となくそう確信していた。


って、こうしてられない。


早く先生のとこに行って雑用を片付けないと!


係の仕事も終わらせて早く帰ろう。


そう思って教室を出た時だった。



「危ないっ!」



え?


後ろから声が聞こえて振り返ると、その途端、ドンッと身体に衝撃が走り。


私はそのまま意識を手放した――。