「じゃあ、俺たちも行くか」


「え?」


相沢くんはそう言って、突然私の手を握る。


ドキッとする私に構うことなく、そのまま引っ張られていく。


「あ、あの、相沢くん?」


「キャンプファイヤー!行くだろ?」


確かに、キャンプファイヤーを取り囲んで、その周辺を回りながら踊るアレを、相沢くんとやりたいなと思っていたけど……。


「わ、私と一緒に踊ってくれるの……?」


前を走る相沢くんに問う。


すると相沢くんは、ちらっと私を見たあとまた前を向く。そして優しい声で言った。


「それはこっちのセリフだよ。お前が初めて踊る相手が俺でいいのか?」


そうだ……。キャンプファイヤーで踊るなんて初めて。


でも、私は……。



「相沢くんがいいんですっ!」



ニコッと笑ってそう返すと、相沢くんは「よっしゃ」と握る手に力を込める。


私も、相沢くんの左手をさらにぎゅうっと強く握り返した。