「皆さん、それぞれ今日この日の為に、クラス全員が一致団結して頑張ってきたことだろうと思います。どのクラスも、協力してきて作り上げてきたものを今日、そして明日、思う存分披露してきてください。そして、私たち全員で、他のどの学校よりもこの学校が一番すごいって思わせられるような、素晴らしい文化祭にしましょう!」
野川先輩の力強い言葉のあと、誰からともなく、イエーイと言う声と共に拍手が巻き起こった。
今日だけは、式の最中にどれだけ騒いでも、先生たちは温かい目で見守ってくれている。
始まるんだ、とうとう。
夏休み前から準備してきたから長く感じるけど、文化祭本番はたったの二日間だけ。
この二日間が終われば、あっという間にもとの学校の姿になり、授業と課題に追われる生活が戻ってくる。
特に、野川先輩を含めて、3年生の先輩たちはこれが最後の文化祭になるんだ。
だから、悔いのないように。
野川先輩の挨拶からは、そんなメッセージが込められているような気がした。
よし、文実委員として、最後まで頑張るぞ。
エイエイオー、と心の中で小さく自分にエールを送った。