「わぁっ……!」
またまた言葉を失う私。
一緒にお買い物に行った時も見たけど、あの時よりも相沢くんがより一層可愛く見えるのは何でだろう。
フリッフリのメイド服を、すっごーく可愛く着こなしていて、私が男だったら惚れてしまうレベルといっても過言ではない。
「ちょ、ちょっと!相沢くん!これも!」
私はゴソゴソと教室の隅にある紙袋の中からカツラを取り出して相沢くんに渡す。
ゆるふわのロングヘアのカツラ。
是非ともこれをつけた相沢くんを見てみたかった。
「香波……お前絶対楽しんでんだろ……」
相沢くんは口を尖らせながらも、もうヤケクソなのかおとなしく被ってくれた。
「ひゃあ〜!相沢くん、めっちゃくちゃ可愛いです……!」
「……そりゃどうも」
ため息をつく相沢くん。その憂いの表情もとても素敵で、女の私でもドキドキしてしまう。
「可愛い!本当に可愛いです!そうだ!文化祭のミスコンに出てみてはいかがですか?」
「お前……本気で言ってんのか……」
うちの学校の文化祭では、この学校で一番モテる女の子と男の子を決めるミスコンとミスターコンが毎年開催されている。
うちのクラスからも男女ひとりずつ出場者は決まっているんだけど、相沢くんの女装姿はミスコンでも問題なさそうなぐらい。
「ほんとに……私が男の子だったら……」
“好きになっちゃいそうなぐらい”